新型コロナワクチン接種 1回目
本日、ファイザー/ビオンテック社の新型コロナワクチンの1回目を接種しました。普段、筋注を受ける機会はありませんが、注射自体はすぐに終わり(0.3mLです)、痛みはまぁインフルエンザなどの予防注射の痛みと同様か痛くない程度でした。その後、接種会場で15分間様子を見ましたが、特に何事もなく…という感じでした。当院のスタッフ数人で接種会場に来ましたが、他のスタッフは、注射後も痛みが…という方もいれば、私同様、これといった反応はなかったり。いただいたチラシには、接種当日は、局所の注射部位の痛みや腫れがほとんどで、接種翌日に頭痛や関節痛、筋肉痛、下痢などの症状が出るとの記載があるので、明日1日はインフルっぽい症状が出るかもしれません。その場合は、適宜、解熱鎮痛剤(カロナール等のアセトアミノフェンが第一選択)の併用もありですね。このワクチン、3週間後に2回目を打つ必要があります。1回目よりも2回目の方が副反応が出やすい傾向にあるようですが、症状が軽ければと思います。
昨年から続くこのコロナ禍、まだ終わりが見えない状況ですが、当院では昨年の2月だったか、国内でコロナが流行りだした当初は、発熱した患者さんは原則お断りとしていました。というのも、近隣で新型コロナが報告された診療所が2週間の休院を求められたり、何より当院でかかりつけの患者さんと発熱した(コロナかもしれない)患者さんを同じ待合室で同席させるわけにはいかない、そういうスペースも設備もないよ、との思いからでした。しかしながら、当院を頼ってこられた患者さんを、発熱しているからとお断りするのは、私の医師としての矜持に悖るものがあり、それ故に忸怩たる思いもあり、何か良い方法はないだろうかと思いあぐねていました。
で、当院は屋根付き駐車場が隣接していたので、そこに発熱外来のスペースを確保して、発熱の患者さんを診るようにすれば、動線を分けられるよねとなり、院内の感染対策マニュアルも整備して、発熱の患者さんも診るようになったのが、昨年の4月でした。そして7月からは新型コロナに対するPCR検査も出来るようになりました(本当はもっと早くからPCR検査をやりたかったのですが、行政とのやり取りに時間を要し…)。発熱外来をやり始めた当初は、まだまだ新型コロナウイルス感染症というものがどういうものか得体の知れない感じでしたので、「あそこは発熱の患者さんもみているらしいよ」という言葉には、ポジティブな面もネガティブな面との両方が含まれていたと思います。それでも、誰もがかかりうる感染症だし、「発熱外来をやっている」ということに対してあまり良くないイメージを持たれる患者さんもそのうち理解してくれるだろうとの思いで、今も続けています。もし、私が罹患したら当院は休診せざるを得ない訳ですが、その覚悟を持って対応しています。
当然ですが、発熱外来は私一人でやっている訳ではなく、当院スタッフの協力がなければ出来ません。また当院かかりつけの患者さんの理解と協力も必要です。特に、当院スタッフは、ほとんどが私より年を召している方々で、コロナに感染すればそれだけ重症化リスクもあります。なので、(初期は特に)院内感染対策マニュアルが大切でしたし、当初は見えないウイルスに対する感染防御という具体的な概念もない状態からでしたので、色々と覚えることが多く、ストレスも溜まったでしょうし、気苦労が絶えなかったと思います。そこを何とか乗り越えてきたわけで、本当に当院スタッフに対しては、感謝の言葉しかありません。
当院でのPCR検査は、最近、2000件を超えました。また当然ながら、それだけの数をこなせばコロナ陽性者の方々も一定数含まれますし、ここ最近、第4波の到来とともにじわじわと陽性者は増えてきています。こういう状況下で、当院スタッフは、私も含め、これまで新型コロナにかかることなくやってくることが出来、今週、ワクチン接種の日を迎えることが出来ました。ワクチンを接種したからといってコロナにかからないということにはなりませんが、それでもぐっと発症・重症化のリスクは減るでしょう。今後も油断は禁物ですが、大きなマイルストーンであることは間違いないです。
当院は、これからも発熱外来を続けますし、その分、患者さんの理解と協力も必要です。また、今年の6月以降には、当院でも新型コロナのワクチン接種が出来るように準備を進めています。人類は、これまで幾多の感染症と戦って来て、打ち勝ってきました。新型コロナは強敵であるのは間違いないでしょうが、やっぱり人類が打ち勝ったよね、と振り返る日が来ることを切に望みつつ。
で、(発熱外来の合間合間に)このブログを書いているわけですが、私、生来の左利きなんです。が、接種会場での椅子が普通に左肩が接種者に出る向きでしたので、(思わずに)左肩に打ってもらいました(写真の通り)。何となく左肩がだるいですね。次回は右肩に打ってもらおう…。